十六夜弥生の得意技は、昔から一貫して、ただ一つであった。







夢を見る。









得意技と言うにはあまりにも地味で、不確かなものだか、





弥生は物心ついてから一日も欠かさず夢を見ていた。







そして、今日も夢を見る。