奈都を落ち着かせないと不味い。


必死に説得した。



「奈都の気持ちが絶対変わらないなら、琢哉さんと離れたってどうって事ないはずだよ。お互いが必要なら、又琢哉さんと出会えるから。」


奈都、少しの間我慢しなさい。


今のままでは奈都も琢哉さんも辛いだけ。


少し離れて、お互いが必要なら又必ず出会える。


母さんを信じてほしい。


奈都、泣かないで。


奈都には幸せになってほしい。


ただそれだけ。


奈都を抱き締めた。


もう泣き虫なんだから、誰に似たんだろ。


奈都が落ち着くまでこうしていようか。


小さな子供みたいに声を上げて泣く奈都を、強く抱き締めた。

たくさん泣いて、明日になればきっと笑顔になれるはずだから。

奈都はもう一人じゃない。


奈都には父さんと母さんがいるから。