無言が続く。


何か話して、母さん。


琢哉さんと琢磨はいなくなってしまうんだよ。



そんなの、絶対やだ。



「私だって孫と別れるのは辛いし、奈都も阿紀がいなくなって寂しいと思う。再婚して出て行く日が来るかも知れないけど。」


琢哉さんが再婚。


お姉ちゃんの事を忘れて、他の人と結婚するだなんてイヤだ。

「俺は阿紀の事忘れられないし、再婚なんて考えられないです。」

お姉ちゃんが亡くなって直ぐに、そんな事言わないでほしい。

「母さんも阿紀が亡くなって辛いの。それなのに琢磨までいなくなったら、どうしたらいいのよ。」


母さんが声を上げて泣き出した。


母さんの声で琢磨も泣く。


琢磨のおばあちゃんは何を考えているんだか、琢磨と離れたくない気持ちは同じだと思いたい。


一緒にいられるなら、何でもするつもり。


琢磨の夜泣きで寝れなくても我慢するし。


受験も頑張る。


お姉ちゃんと約束した事は絶対守ってみせるから。


琢磨を私に任せてほしい。


琢磨と離れる事が怖くてたまらなかった。