『碧ちゃん、おはよう』
『おはよう、おばさん』

近所の主婦達に挨拶を交わしながら角を曲がるとようやく和哉の背中に追い付く。

『お兄ちゃん待ってよ』

背中を叩かれた和哉は振り返って碧を見て驚いた声を出した。

『お前、襟…』

和哉の視線に誘われて胸元に目を落とすとシャツのボタンが二つ外れて下着が丸見えである。

『やだ!もう、お兄ちゃん変な所ばっかり見るから』

『変な所って、俺が教えてやらなかったら、そのまま出勤してたんだぞ!感謝しろよ』

必要以上に慌てて弁解する和哉に碧は吹き出した。

『冗談よ、冗談…ねぇ今朝はびっくりした?ラッキーだったね』

『ばっ…誰がお前の裸なんか!』

言葉とは逆に顔は風呂上がりみたいに真っ赤。