「……で、どうされたんですか?
義影さんがいきなり来られるなんて珍しいですよね。」
シャワーを浴びた桜花は今、
零の隣で血の匂いを弱めるための香水を自身に振りかけながら問う。
零が
「くせぇ」
と言うのにも無視を決め込む。
「今回は、ちょっと依頼をしようかなぁ、と思って来たんだ。」
はっきり言って、義影さんは美形。
まぁ、それは自らの保護者にも言えることなのだが。
29歳という少々おっさん世代突入ぎみなのに、20歳代前半に見られるのだから。
そのニッコリとした笑顔に、桜花は癒されるのだが、何故か怖い。
「えっと、何を、ですか?」
「んーとね、まず、うちの学校に編入してほしいんだ。」
「……はい?」