そしたら、
「そんな単純な事じゃない。」
と怒鳴られた。
「じゃあ、何なんだよ。」
「この病院、全体に凄い魔力を感じるの。」
「どう言う意味だ?」
「誰かがここに来て魔法をかけたんだと思う。だから、お兄ちゃんもその魔力に引き寄せられてこの病院に入院してると思うんだけど。」
「それは誰がかけたか分かるのか?」
ミエルはまた黙った。
「黙っていたら分からないだろう?」
「日菜。」
俺はどう返答して良いか困った。
「じょ、冗談だろ?」
「冗談でも嘘でもない。堕天使の魔力が痛いほど分かるもん。」
「もしかしたら、違うかもしれないじゃん。」
「いや、日菜に会った時、何か凄いものを感じていたの。最初は何かと思ったんだけど、日菜が退院してたらその謎が解けた。この病院に魔方陣を作ってるの。」
「魔方陣ってあの占いとかで使う?」
「そうだよ。病院全体にね。それも天使を引きつける効力付きでね?」
「日菜がそんな事・・・」
「秘密にしててごめんね。どうしても、日菜と仲良くしてるお兄ちゃん見たら言い出せなくて。」
「じゃあ、味方って言ったのも嘘なのか?」
「それは分からない。」