その後、何を言って良いのか分からなくなった。
「私は和也さんのためを思ってこう言う質問をしたんですよ?和也さんを助けるために。」
「助けるため?サリリは一体何を知っているんだ?」
「仮に、ミエルちゃんとの約束が天使の力の解放であるのでしたらやめた方が良いです。私も隠すの嫌いなので言いますが、和也さんは私と同じ天使なんですよ。でも、和也さんの天使の力は強力で悪魔界でも天使界、勿論、人間界どこでも滅ぼす力があるんです。」
俺はそれを聞いて日菜が言ってた事を思い出した。
サリリは続けて話した。
「古代からこんな言い伝えがあります。この世を滅ぼすのは神でも悪魔でもない。この世に生まれた天使だと。その天使が和也さん、あなたなのです。ですから、天使の力を解放しないで下さい。天使の力を解放して和也さんにメリットがあるんですか?悪魔に命を狙われて、自分の住むとこさえ失うんですよ?それなら、解放しない方が良くないですか?」
サリリは本気で言ってきた。
俺もメリットはないと思っている。
あるのであれば、デメリットのみ。
それなら、解放ってそんなに大切な事か?
絶対にやらなくちゃ駄目な事か?
そんな事も思いだした。
「なあ、その天使の解放ってしなかったらどうなるんだ?」
「どうもなりませんよ?敷いて、言いましたら、今まで通り普通の生活が出来るくらいです。」
「そうか。」
それならまだ解放なんてしなくても良いんじゃないかなと思った。