「いえいえ、ちょっと俺に何も報告なしで退院しちゃったから気になって。」
「そうなのかい。じゃあ、診察始めますね。」
俺は確信した。
日菜は自主的に退院したんじゃなくて、あいつが何かを察してここを出て行ったんだ。
それが何かは何となく想像がつく。
それはミエルとサリリが関係しているはずだ。
「あと、何か気になるとこはありませんか？」
「大丈夫です。」
「そうですか。それではお大事に。」
そう言って病室を出て行った。
「やっぱり、告知されてなかったでしょ？それに表情の変化ってもしかして、昨日お兄ちゃんと話した奴？そいつの意思で退院させたって事？」
「そこまでは分からないけど何かを察してここを後にしたんじゃないか？これは俺の予想だけどミエルとサリリにバレたらヤバイ状況下におかれたとか？」
「それは何？」
「そこまではまだ分からないけど・・・」
「でも、一つ確信した事があるわ。それは、日菜のもう一つの人格は何か大きな秘密を持ってるはず。」
「そのミエルの意見には同感だ。日菜のもう一つの人格は俺たちの知らない何かを知っている。」
そんな事を話しているとサリリが来た。
「あ、ミエルちゃんも来てたんだ。こんにちは、和也さん。お加減いかがですか？」
「まあ、大分良くなったよ。明後日には退院出来そうだよ。」
「それは良かったです。」
「ボクちょっとジュース買って来るね？」