そんな事を思っていたら
「じゃあ、ボクはこの辺で帰るね。お兄ちゃん、また明日お見舞いに来るからね。」
とミエルが言った。
「うん、気をつけて帰れよ?」
「うん、じゃあ、お大事にね?」
と言って部屋を出て行った。
「和也さん、ミエルちゃんおかしくないですか?」
「何が?」
「私にあんなに敵対心を向けていたのに今はあの態度ですよ?」
サリリも俺と同じ事を思っていたらしい。
「それは俺もさっき思ったんだ。ミエルはネユカの時の記憶がない。だから、お詫びって事はないだろうし、俺に優しいのはともかく、サリリに優しいのはちょっと気がかりだよな?」
「何か企んでるのでしょうか?」
「疑うのも駄目だけど、それが一番大きな可能性だよな?」
「そうですよね?」
それから二人で何故あんな行動を取るのか考えたけど全く検討もつかなかった。
「でも、気をつけろよ?明日からは俺がいないって事はミエルと二人っきりって事だからな?ミエルは大丈夫としてネユカには十分気をつけろよ?」
「大丈夫です。相手の行動パターンは見切ってますから。」
「あの一瞬で分かったのか?」
「ええ。」
俺は凄いと感心するしかなかった。
それから食事を食べて、消灯時間になったので寝ようと思ったがなかなか眠れなかった。
理由はミエルの行動だ。