「じゃあ、サリリ達が消えるしかないって事かよ。」
俺は無力の自分が苛立って仕方なかった。
そこで、ミエルが口を開いた。
「でも、ボク達が消えない方法もあるんだよ?」
俺はみんなが消えない為なら何でもしようと思った。
「何だ、何でもするよ?」
「でも、絶対にお兄ちゃんは後悔すると思う。」
「何でだ?」
「お兄ちゃんは自分の選択を後悔するって事だよ?」
「俺が選択を後悔する?」
ミエルが言ってる意味がさっぱり分からなかった。
「みんなが消えないなら選択の後悔なんてない。」
そう思った。
しかし、ミエルが言ったのはその決心を揺るがすものだった。
「お兄ちゃんが悪魔になる事だよ。」
「俺が悪魔に?」
サリリが悪魔に、ミエルが堕天使にと言うのは分かっていたのだが、俺が悪魔と言うのは良く分からなかった。
「それは、俺の中に天使と悪魔がいるって事か?」
ミエルは首を横に振った。
「じゃあ、一体・・・」
「天使を無理やり悪魔にするの。」
「どうやって?」
ミエルはそれには口を閉ざした。
「言ってくれよ。」