「これは一昨日、ウチが撮った写真だよ?」
「豊川さんが撮ったの?」
「そうだよ。」
俺は意を決して聞いてみた。
「その拡大写真とかないの?」
「ちょっと待ってて。」
そう言って部屋を出て行った。
辺りを見渡した。
「かなり大きな部屋だな。俺の家のリビングくらいあるな。」
それで目をタンスの方にやった。
「ん?」
そこには男の子と一緒に写ってる写真があった。
「これって去年の夏に俺と撮った写真じゃん。」
それを見ていたらドアが開いたので慌てて座った。
「どうかした?」
「いや、豊川さんは写真好きだなと思って。」
「何で?」
「その写真。」
そう言って、さっきの写真を指差した。
豊川さんは顔を赤くした。
「どうしたの?」
「え、何でもないよ。」
「でも、何で俺との写真なの?」
「これがきっかけで写真好きになったから。」
「そうなんだ。」