長澤は逆上したまま私の首を掴み、力を入れてくる。
息が…できない――
「女はな!みんな俺に従えばいいんだよ!お前だけだよ!俺に刃向かってくるのは!」
確かに浮気が発覚したとき、あまりにふてぶてしい態度だったからそれに対して非難の言葉を吐いた。
それに対してここまで逆上してくるの?
最初は冷静にそう考えていたが、次第に首を絞める手に力が入ってくる。
長澤は完全にイっちゃってるし、ここは誰の目にも付かない資料室。
このまま殺されてしまうかもしれない状況に、心の中では焦りを感じていた。
視界がかすむ。
涙がにじんで、何も考えられなくなってくる。
「た、すけて…」
これが最後の言葉になるのかな?
「かつら、ぎ…しょ…」