担任の言葉に促されて入ってきた男は、 そのまま緊張した様子もみせずに、教壇までスタスタ歩いていった。 「はじめまして。 今日から2週間お世話になる、斎藤祐介です。皆さんよろしくお願いします。」 そう言って軽く頭を下げた。 私はそこでやっと目線を窓の外から彼に移した。 本当はずっと体の右半身に神経を集中させてたんだけど。 …声がいいな。 って思って。 それが最初の感想。