「俺、しばらくここには戻らないから。別に居てもいいし帰ってもいいし自由にしていいよ」


あたしは少し戸惑った。


あの人は、あたしに鍵を渡した。


「出る時に、ポストに放り込んどいて。まだ居たら直接、俺に返して。じゃあ行くよ」


あの人は部屋を後にした。


* * *