「ねぇ、母さん。
 
 明日から新しい学校だから

 ちゃんと美容室いくからお金ちょーだい」

俺は、母さんにねだる。

以前から計画してたコト。

こう言えば、母さんは。

普段、マジメな俺を

信じてるから。

「もう、しょうがないわね」

ほら来た。

信じちゃった。

そう言って母さんは

財布から1万円札を1枚俺に渡す。


「ありがと」


俺は、そのお金を握りしめ

自転車をこいだ。