「翔??」
「來夢。どこ行ってたんだよ」
「どこって…駅前」
「何で?」
「それわ…友達と遊ぶ約束してたから」
そういった瞬間。後ろから温かいものに包まれた。

「…翔??どうしたの?」
「もう、夜遊びすんなよ?あぶねえし、心配すっから」
「うん」
鼓動が少しずつ大きくなる。さりげなく離れて、翔の目を見る。
「何で私の部屋に来てるの?」
「なんか嫌な予感がしたから。」
「…そっか、翔にわお見通しなんだね」
「そう言うこと。」
2人はチョットの間笑いあった。お互いを見つめ、笑いあった。

「明日デートしねぇ?」
「え?」
「來夢と遊ぶの久しぶりじゃん?だからさ…」
「翔から誘うなんて珍しいね。絶対に行くよ!楽しみだね」
「おう」
翔の笑顔が切なく見えた。笑ってるけど笑ってないように見えた。悲しそうな笑顔だった。
「翔?なんか合ったでしょ?」
「え?」
「顔に書いてあるよ~」
いかにも図星ですと言うような顔をして、微笑する翔。ゆっくりと口を開いて、発した言葉は・・・
「俺、彼女にふられちゃった」
「翔が~??」
「声でかいっつーの」
「ごめん。え?翔がふられたの?」
「おう…」
珍しく翔の視線が冷たく感じた。翔の視線が痛く感じた。翔…辛かったんだね…。