「なんか運命だよなぁ」
「偶然です。運命なんてありえないから!!」
小林の一言が頭をよぎる。…ありえない…ありえないから…偶然だし!
「偶然かなぁ?適当に座ったんでしょ?俺もだし」
「だから偶然なんでしょ?運命ってのわ…」
「運命ってのわ??」
「……」
――こう言うことを言うんだ…。

とにかく勉強に励む來夢、隣で楽しそうに絵を書く箕神、やたらとちょっかいを出してくる小林…。
やだ…絶えれない。
この組み合わせ、ありえないから…。

「浅山?この問題といてみろ」
いきなりの質問に戸惑う來夢。
「25」
…小林??
「…っ25です」
「正解!」
…悔しい…こんな奴にあんな簡単な問題を…。

「どう?俺、これでも頭良いから」
「自分で言うの?」
「おぅ、俺わ自信あるし!!」
笑みを見せる小林。少し緩んだ口元が印象的だった。
「…さっきわ…アリガト」
頬を少し赤く染め、目線をそらしてお礼を言った來夢。
…俺、浅山に惚れたかも…。
小林わそんな気持ちに押しつぶされそうになった。
「…ぉ、おぅ。」
…隣に座ったのわ、偶然。ぅん!これわ偶然だあ!!

「…小林??」
「あ…ゴメン」
「え?そう言う訳じゃないけどさ、先生に当てられてるから」
「先に言え!」
意外と面白いな…小林も。來夢わ慌てる小林を見て少し笑ってから、また勉強に励んだ。私わ大学に進学するんだ…。

補習授業から終わり、それぞれで帰っていった。でも、來夢と箕神わ教室に残っていた。
「浅山さん?あのさ…ひょっとして小林の事好き?」
「誰が??」
私わあんな感じの人嫌いなんだってば!無関係だよ。
「嫌い。小林みたいな人苦手だし」
「そっかあ…そうなんだ」
「箕髪さんは?」
「私?好きな人とか特に居ないよ」
「そっか」
二人わ話しながら家へと帰っていった。

「……來夢」
「…翔??」
ちょうど箕髪と別れた所で、一番仲の良い男の子の平山翔に出会った。
「久しぶり。來夢とわ1年ぶりかな?」
「うん。元気にしてたんだね」
翔とわ中学時代に仲良くなったゆいつの男の子だった。高校になって別々の高校へ進学。1年ぶりの再会だった。
「來夢の家、行っても良い?」
「モチロンじゃん!早く行こう」
「おう」