午前様帰宅で、苦労しながら。
やっとの思いで、完成させたサンプル品。
修正などは、当然のことではあるが。
異動したばかりの彼女には、酷だろう・・・
まして、女性にはキツイ筈だ――
「まほ・・・」
「やっぱり、一筋縄ではいかないのですね。
うん、今日からまた頑張りましょう!」
労おうとすると、彼女の言葉がソレを遮った。
そして、クルリと椅子をこちらへ向き直ったあと。
「松岡さん…、私、頑張ります!
役に立ちませんが、ビシバシと使って下さいね?」
「ビシバシ、いいの――?」
フッと一笑して、尋ね返すと。
「ハイ、その覚悟で異動してきましたから。
ですから、女とは思わないで下さいね?」
ニッコリ微笑むと、途端に仕事に取り掛かり始めた。
・・・参ったよ。
彼女に読まれていたとはな――