夜勤の疲れで私は相当眠くなっていた。


今の時刻、午前5時過ぎ・・・夜勤終了まであと約3時間。

夜勤は基本的に仮眠を取ってはいけないので、眠たい目をごしごしと擦って睡魔に耐える。

それは鈴木さんも一緒のようで、彼女も少々ボヤついた頭をブンブンと振って眠気を振り払っていた。


婦長は丁度一時間ほど前に仮眠を取りに行った。婦長は特に夜勤だったわけではないので、朝からの仕事に備えて体を休ませる必要があるのだ。

それにしても、一度帰ったのにわざわざ出勤してくるとは・・・婦長も鈴木さん同様、かなり『SHANGRI-LA』に夢中らしい。



私は『SHANGRI-LA』について、何も知らない。



言ってしまうが、興味がない。

私は元々邦楽は聴かないし、激しいロックというと洋楽でもあんまり好んで聴きはしない。


しかし私は彼らに好感を持った。


その礼儀正しさと仲間思いさに心打たれた。

だって、今時いないでしょう。仲間のために自然に泣ける青年だとか、いざって時に冷静になれる青年って。


見た感じ彼らは20代後半ぐらい・・・うん、私より少し年上くらいだと思う。