話によると、今ニュースでは雪村さんの話題で持ちきりらしい。

大人気のアーティストが突然の事故…。

視聴率を取るために各局もそれについてを取り上げたがるのだろう。



「鈴木さん、教えてくれてありがとね」


「うん」




「…私が雪村さんの担当になったこと…怒ってる…？」





私が心配になってそう聞くと、鈴木さんは頭をブンブンと横に振った。


「そんなことない！そりゃ、ちょっと残念な気持ちもあるけど、佐々木さんなら安心だもん！」


「鈴木さん…」



「私はいいんだけど…でもね…」


「え？」



「他の人たちは、結構不満げみたい」




鈴木さんは遠慮がちにそう言った。



私はある程度予想はしていたので、軽く頷いておく。



「私は多分、緊張してITSUKIさんのお世話なんてまともにできないと思うし、ITSUKIさんが嫌がってるんなら、すべきじゃないと思う。私は直接ITSUKIさんに関わらなくても、ITSUKIさんの食事を運んだり、食器を片付けたり、洗濯物をしたり…そういった些細なことでお手伝いできれば幸せ！」



鈴木さんは笑ってそう言った。




その言葉に嘘はないのだろうが、少しだけ悲しそうでもあった。





「多分、雪村さんもその内自分の過去と向き合えるようになって、過去の自分を知ってる人と関わることを望むと思う。そうなったら担当も無くなるから」


私がそう言うと、鈴木さんははにかんで言った。




「やっぱり直接関わってみたいかも…」