・・・もしかして、私気づかないうちに何かやらかした?

知らないうちに、私、あの人たちに失礼なことしちゃったとか?

婦長はあの人たちのファンだから、怒って呼び出し・・・ってことも有得なくは・・・ないな。



うーん・・・。



でも、どうせ今日も夜勤で行かなきゃいけないんだしな・・・しょうがないか。


「わかりました、今から行きます」


私はそれだけ言って電話を切った。


携帯の時計を確認する。

14:00・・・。

・・・・もうちょっとだけ寝たかったな・・・。



私はベッドから降りて、テレビをつけ、着替えをタンスから取り出す。

適当につけたテレビはお昼のワイドショーがやっていた。


―――昨夜、人気ロックバンド『SHANGRI-RA』のITSUKIさんがライブ中ステージから転落して頭を強打し意識不明の重体でこちらの病院に運ばれました。既に事故のことを知っているファンが病院に押しかけ、大混乱となっております・・・




私はハッとして振り返った。



テレビに映っていたのは綺麗なレポーターの女の子と、私が勤めている病院、そして病院の入口に押し寄せる大勢のファンと、それを抑える警備員の姿だった。





「・・・え、マジで?」





私は思わずそう呟いたのだった。