「佐々木さん、私、今まで『SHANGRI-LA』の上辺だけしか見てなかったみたいです」





夜勤が終わり、更衣室で着替えていた時、鈴木さんがポツリと言った。



「あんなに、辛い現実を突きつけられたのに・・・それでもメンバーが一人ひとりITSUKIさんのこと信頼してて一緒に乗り越えていこうって思える人たちだったなんて、私知らなかった」

「うん・・・」

「私・・・『SHANGRI-LA』が好きで、本当に良かった」


鈴木さんは微笑んでいた。


瞳の奥には強い意志が垣間見えた気がした。



「私も、4人と一緒に頑張る。ITSUKIさんの記憶を取り戻す手助けをしたい」


「うん、そうだね」



今日はしっかりと眠れそうだった。

私と鈴木さんは明日も夜勤だ。