「ほら、皆。早く」

「あ~…溝川ん家だろ?」

嫌そうな顔をしながら言った要。
仕方ないじゃん。世話になってたんだから。

「お礼を兼ねて…」

「絶対、何かあるぞ!」

何かある?そんなの分かんないじゃん。それにね、何かあったって大丈夫だから。

それなりのことはやらせてもらうから。
「んあ?電話…電話」
ヘリの中で要が携帯を探していた。

「もしもし~…どうした?」

要がいきなり真剣な顔をした。何だろ…
仕事の話じゃなさそうだし…

要の顔をじっと見つめた…というか睨むような感じになった。

「マジかよ…ああ、大丈夫。ああ…じゃ」

ため息をつきながら携帯をしまった。
気になる。

「誰から?」

「ちょっとな」

何かマズイことでもあったのだろうか。今まで以上に真剣な顔だった。
でも話したくないみたいだから無理に聞くことはしない。
要から聞かされるかもしれないからね。正直に話してくれる奴だから今は黙っておく。