「美依?」

美依に電話してみると、大きな声が聞こえてきた。

《お母さん!お父さんと離婚しないよね?》

「しないよ」

美依、泣いてる?なんか、ぐずぐず聞こえる。

そのぐずぐずに混ざって誰かの声が聞こえる。

《よかったな》

小さくて、あまり聞こえなかったけど、きっとこの声は…美依の将来の旦那だ。祐一君が、側にいるのだろう。

「美依、祐一君。迷惑かけたね。ごめんっ」

すると、祐一君と代わったみたいで祐一君が言った。

《いえ。それより、吉田先生は大丈夫ですか?》

「大丈夫、元気だよ」
昨日の夜から、わがままばっかり言ってたし。
元気、元気。

しばらく話をしていると、平次が自分の携帯を奪って祐一君に言った。

「美依を頼みます」

ちょっと複雑な顔をしながら、言った。笑えるなぁ。