リビングの扉を開けると、お母さんが要兄の上に馬乗りになって怒っていた。

「どしたの?」

「え?あ、おかえり」
お母さんが要兄から離れると、要兄は私に抱き着いてきた。
「美依!助けろ!南がッ!」

「要、人の娘にセクハラやめろ」

要兄を引っ張って、プロレス技をかけていた。

「お母さん、紹介したい人がいるんだけど…」

言いかけた時、空兄が帰ってきた。
隣には…!?

空兄の通ってる保健医の先生!

なんで!?

「おかえり。空」

要兄を引きずりながらお母さんは、ソファーに座った。

「母さん、俺…紹介したい人がいんだけど」

空兄も?

もしかして…その人、空兄の好きな人?