どこかの部屋に平次と自分達は向かった。部屋も広いし、花も綺麗に飾ってある。

「しばらく南と二人きりにして」

「分かった」

お父さんと要が出て行った。
…?なんで、二人きりなんだろう?

「南、おいで」

近づくと、腕を引っ張られてベッドの中に引きずりこまれた。
えっ。ちょっ、傷!ダメだって…

「き…傷!!」

今日、刺されたばかりなのに、なんでそんなに元気なの?!ありえないんだけど。
平次の胸を押した。これ以上、酷くなったら…

「いいから。傷なんて、どうでもいい」

どうでもよくないからね!?

死んじゃうかもしれないんだから、安静にしてなきゃ。離れようとするのに平次は、力強く自分を抱きしめてきた。

わがまま過ぎる。ていうか、今わがまま言われても困るよ。今じゃない時にしてよ。

「今は安静に…」

「出来ない」

はぁ…どうして、こんな時にわがまま言うの?
早く治してさぁー…
「抱きたい…ダメ?」
「ダメ」

絶対にダメ。何があってもダメ。
その傷が治ったらねっ!!