保健室の隣の薬が置いてある部屋に持田先生がいた。

「持田先生、お話があります」

「…私はないわ」

「卑怯ですね。あなたって人は、教師向いてないですよ」

「…似てるわね。そういうとこが似過ぎていて大嫌い。宮沢さんっぽくてね。でもね、私…諦めないから」

似てる…か。嬉しい言葉だよ。
ずっと似てないって思ってたし、言われてたからね。
最高の言葉だよ。

私は、お母さんの娘。やっと共通点が見つかったよ。

「大嫌い、先生なんか」

それだけを言って、私は出て行った。
悔しい、悔しいよ…
お母さん…ゴメンね。

「…!おい、美依。さっきの空き教室に吉田先生呼んでこい」

先生が職員室を覗きながら言った。

「…うん」

私は、保健室に入ってお父さんを呼んだ。
ちょっとだけドキドキした。何故だろう…

椅子に座りながら、頭を抱えているお父さんがいた。
眠ってないみたい…

「お父さん、3階の空き教室に来て」

それだけ言った。何か言いたそうだったけど、小さく頷いた。