「…マジ、どーすっか」

家に向かいながら、考えていた。
親父とお袋が?離婚?
マジ?ねぇと思ってたのによ…

親父は、お袋大好きなはず。


「…ま、聞いてみっか」

携帯をしまいながら、俺は走った。
離婚なんて…させるかよ。
どんなことがあってもな。
家に着いて、リビングの扉を乱暴に開けた。親父は、服がはだけていて、泣いていた。

「親父」

「…空」

何があった?床には血が点々と…
ごみ箱には、血のついた包丁。
親父の携帯が、落ちていただけ。

「どういうことだよ」
「…信じてあげてなかった」

はぁ?マジ意味わからねぇよ。
信じてあげてなかった?
それが原因?いや、そんなことで喧嘩して離婚は、ありえねぇ。

俺は親父の携帯を拾い、テーブルに置いた。

「浮気…した」

目が絶望的だ。スッゴク後悔してるみたいだ。
親父が浮気?

「…どこにいるんだよ」

「溝川さん…」

溝川?誰だ?
美依もいない。要兄もいない。
…てこたぁ、皆して出てったのかよ。

「親父、マジ後悔してる?」