窓を閉めて、椅子に座る。

天海さんは、秘書の人からコーヒーを受け取って、自分に渡してきた。


「どうも」


「いえ」


一口飲んで、マグカップをテーブルに置いた。


…荒山和利。


「吉田の周り、私の周りも危険…」


「皆を遠ざけるしかありませんね」


「あなたもです」


「いいえ。殴り込みに行きたいんで離れるわけにはいきません」


家を破壊されて、黙ってるのも悔しいし。

うん、決めた。


「危ないですよ?」


「そんなの、今に始まったことじゃないから」


ずっと前から、危ない道を歩いてきたんだ。

今頃、危ないって言われてもね。