「…もしかして」


『今度…すべてを教えてあげましょう』


あの男…?
お父さんも気づいた…?


『私、天海純と申します』


きっとあの男。
それしか考えられない。


「…誰がこんなこと…」


平次が呟く。

…きっと。

きっとあの男。


「お母さん?」


美依は笑顔でやって来た。
何も知らないみたい。

でも、良かった。
怪我することなくて。


「…家、どーしたの?」


「さぁ…ね」


携帯が震える。

見てみると、知らない番号からの電話だった。


《天海です》


「…どうも」


落ち着いた声…この人、感情なんてないのか…?