「あ、宮沢さん」

見つかった…

最悪だ。大嫌いな人に会うとは…

「溝川さん」

懐かしのあの人…溝川。

変わってないなぁ。うん。

「結婚したんだって?」

「ええ」

意味ありげな笑みを見せた溝川。
…またなんか企んでるな。

面倒なことは止めて欲しい。

「ねぇ、行こうよぉ」
溝川の腕に絡んでいる女の人が言った。

「ん?ああ、ゴメン。別れよっか。初恋の人現れたから」

はぁ?
別れよっか?最低な言葉。

やっぱり、こいつは嫌い。大嫌い。

「ひどい!」

泣いて走って言った女の人。

可哀相…
というか、文句言ってやろう。

「溝川さん、あんた…」

腕を引っ張られた。そして耳元で言われた。

「まだ好きだからね」

…嫌いになって下さい。