時々、思い出すんだ。

要が自分に話しかけてくる前のことを。


いっつも、一人で本を読んでいたせいか…一人も悪くないと。

でも、皆でいるほうも楽しい。笑えるし…けど、たまには一人にもなりたいなぁ。


「泳がないの?」

「うん」

「いいよ、ここで見てるから」

「やだ」

平次は、なかなか離れてはくれない。

いや、一人にさせて。
今だけ休ませて。

「はいはい、いちゃつかない」

木田先生と溝川が平次をプールへと引っ張って突き飛ばした。