お父さんが用意したヘリに乗って、海へと向かった。

「…」

ヘリの中、お父さん達ははしゃいでいるけど、要は静かに座って外を見ていた。


「要」

「ん?」


また、優しく微笑んだ。
何なの?


「何を隠してるの?」

「別に隠してねぇって」


嘘。
怪しいし、不安だよ。

離れるんじゃないのかなって。

要の隣に座って、じっと要を見た。

「何だよ、惚れた?」

「…」


どうして…いつもみたいに馬鹿な要じゃないんだ。


どうして、いつもみたいに自分を怒らせないんだ。