「…くすぐったい」

ニコニコしながら、抱き着いてきた。

さりげなく抱き着いてきたよね。

「私の髪の色…なんで濃い青か知ってる?」


…知らないなぁ。ていうか、あんまり気にならなかった。

お父さんの髪の毛を指に絡めて遊んだ。


「ふふ。ふたりきりになったら教えてあげる」

「でも、なれない気が…」

「大丈夫。考えがあるから」


そう言って、自分の頭をゆっくりと撫でて皆の近くに寄って遊び始めた。

考えていないようで、考えているんだよね。

お調子者って皆から思われてそうな人だけど、でも…何かが見えない。


お父さんの奥が…