片付けをしていると、溝川が勢いよく部屋に駆け込んできた。

「これ、なに!?」

顔を指差して聞いてきた。

「奴隷」

「違っ!恥ずかしかったんだけど!」

「あっちを見て下さい」

平次のほうを指差すと、溝川はちらっと見た。

「あっちのほうよりマシでしょう?」

「…うん」

納得してくれました?
奴隷って書かれただけだよ?

平次のは顔がほぼ真っ黒。
最悪でしょ。

溝川は顔に書かれた文字を洗面所で洗い落とした。

タオルでぎゅっぎゅっと力強く拭いた。

「平次、顔洗いなよ」

「え?」

「鏡見てみれば?」

平次は鏡で鏡をチェック。

「…!!」

「うはははは!吉田、お前調子乗ってんなよ!」

要が平次をバカにした。