部屋に戻ると、お父さんと要が起きていた。

「?」

何かやってるのかな。笑ってるみたいだし。

「な~にして…」

平次の顔にペンで落書きをしていた。

子供っぽいって。ヒゲとか…

お父さんも楽しんでるし。要なんか額に『アホ』って書いてる。

「南もやる?」

「うん」

ペンを受け取り、平次の頬に『バカ』と書いた。

よし、次は溝川の顔に書こう。
『奴隷』

「ん…?宮沢さん?」

あ~あ、起きちゃった。まだ書きたかったのに。

「何してたの?」

額に書かれた奴隷の文字。

「やっ、何も?」

まったく気づかないまま、溝川は部屋を出てった。