行き先は京都と奈良と昔、行ったあの海へ。

京都と奈良は中学以来だなぁ。久しぶりでちょっとだけ楽しみ。


空と美依に行かないか?と誘ったけれど大人達だけで行ってきてと言われた。

「二人の分まで楽しもうよ」


お父さんは笑顔で抱き着いてきた。

いや、そこは抱き着くとこではないと思う。


「要、何してんの」


分厚い本を覚えるかのように、じっと見ていたから怪しいと思い、髪の毛をぐしゃぐしゃにした。


「いや?!大丈夫、何もない」


怪しいんだけど。
まぁ、何かやらかしたら殴るけど。


「宮沢、荷物持つぞ?」

「大丈夫ですよ」

「いや、持つから」


木田先生は自分の荷物を軽々と持ち上げた。

やっぱり木田先生は優しいし、真面目な人だよね。