何も知らなかったんだ。

「先生と平次…どっちがいい?」


「じゃあ、今日は…先生で」


抱き合っている時、僕は絶対に離さないと決めた。


一度は離してしまった手をもう二度と離さない。

だからね、南。
離さないから。離れた分、埋めていこうよ。

長くキスして、印をつけて…

何度も名前を呼んだ。何度もキスをした。

朝にはいなくなってしまうんじゃないかと不安になりながら、抱き合って眠った。

お願いだから…どこにも行かないで。