「照れなくていいぞ」

「照れてません」


どこまで溝川に似ているんだ。
本当にこういう人嫌いだっ。


「で、何々、旅行?なら俺も行こっ」

え…絶対に嫌。
でも断る権利なんて自分にあるのかな。
平次かお父さんが決めることだよね…


「大勢で楽しそうだなぁ。でも隆之、南に手を出したら許さないからな♪」

いきなり強張った顔をした隆幸さん。

すると平次が耳元で言ってきた。

「父さんの裏の顔知ってる?」

「知らないけど、あるの?」

大きく頷き、続きを聞こうとしたらお父さんが平次を捕まえて自分に言った。


「南、二人で行く?」

なんて言って平次をからかった。