「冗談なんかじゃないから」

そんなの分かってる。分かってるけど、あんたよりマシなの。

「…無理矢理、姐さんになっちゃうかも」

「帰ります」

これ以上、馬鹿に付き合ってられるか。
立ち上がって扉の前で止まった。

「自分の心配したほうがいいんじゃないですか?」

あんただって、周りの女泣かしてると…いつかやばいことが起きるかもね。

それだけ言って、三人が待つリビングに向かった。

「帰るよ」

「え?」

「パーティー中止。はい、帰ろっ」

三人の腕を引っ張って溝川宅から出て行った。