「起きてたのか」 「当たり前でしょ。気付かないわけないじゃない」 「―そうか…」 「どこに行っていたの」 「……」 「どうして言えないの?」 「別に、いちいち報告しなくてもいいだろ?」 「そんな、私達婚約者なのよ?知るのは当然でしょう?」 「婚約者だって、知られたくないこともあるんだよ」 「―ねえ、仁志。本当に私のこと愛してる?」 「―え?」 「どうして、さっき抱いてくれなかったの」