《クククッ。思い出したか。じきに、おまえは俺を見つける。あのとき、おまえは、あきらめて帰ろうとした。そう、その道を選んでいたら、おまえは死なずにすんだ。ここで、おまえには選ぶ道を…、選択権を与えよう。俺を追いかけるか、否か…》




 「お、追いかけるわけないでしょっ!」 

と、私はさえぎるように言った。




 思わず声に出してしまったことから、まわりの人は、私の顔をじろじろと見る。




 うわ…


 ばつが悪い…





 《…そうか。おまえは、俺を追いかけない道を選ぶんだな》




 当たり前でしょっ!




 だって、私、死ぬのよっ!!


 追いかけるわけないじゃないっ!!