「おい、早くしろっ。俺は気まぐれ屋だ。俺の気が変わる前に早く、俺の額に顔を近づけろ」
と、死神はそう言うと、私をじろりと見た。
「あ…、う、うんっ」
別れを惜しんでる場合じゃない。
私は生き返るんだ。
私は死神の額に、自分のおでこをゆっくりと近づけた。
ピタッ。
これから、なにが起こるのかと、私の中ではドキドキと胸が高鳴っていた。
死神が、穏やかな口調で言った。
「目を閉じるんだ。いいか、何も考えずに、ゆっくりと目を閉じろ」
私はうなずくと、死神の言うように、ゆっくりと目を閉じた。
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