死神は言った。

 「さっきも言ったろう? おまえは、運が悪かっただけだと。俺は、おまえに黒星などつけていない。つけたのは、過去のおまえにだ。だから、おまえには特別にチャンスをやろう」





 特別に、


 チャンス…





 死神は続けた。

 「さっき、おまえの記憶をのぞいた。おまえはあの事件以来、自分が父親の代わりに死ねばよかったと思ってきたのだろう」




 私は息をのんだ。




 そう、


 ずっと思ってた。





 パパが死んで、生活が一変した。