死神は言った。

 「おまえに俺の姿が見えたのは、俺が昔、おまえに黒星をつけたからだろう」




 私は、目をぱちくりさせると言った。

 「黒星?」





 死神は、うなずくと言った。

 「そう、死神が狙った獲物には、その印として額に黒星がつけられる」





 えっ、印…?





 「ってことは、私のおでこに黒星が?」

と、私はそう言うと、おでこを指した。




 死神が、私の額をじっと見る。

 「目的が達成すれば消える。おまえの場合、父親の死と引き換えに」





 私は息をのんだ。



 背筋が、凍るような思いだった。






 パパが、私の身代わりにって…