死神は、見上げると言った。

 「《名無し野郎》って、俺のことか?」




 「そうよ。あなた名前ないんでしょっ!」

と、私はそう言うと、グッと死神の首をしめた。




 「…ぐわ…っ、なにする…ん…だ…っ!!」

と、もがく、死神。




 「よくも私を陥(おとしい)れてくれたわねっ!」



 「…なん…の…こと…だっ!」



 「あなた、私を死に追いやるために、私の前に現れたのね! よくも私を殺してくれたわね。どうしてくれんのよっ。私になんの恨みがあるっていうのっ? 死神に、ノルマでもあるってわけっ!?」




 「…わ、…わか…った。…話…そう。…放…せ…」
 






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