冗談じゃないわよっ!!


 そんなんで死んでらんないわよっ!!





 私は人込みの中を、慣れた足どりですり抜けていく、死神を目で追った。




 私は体をわなわなと震わせると、こぶしを握りしめて叫んだ。

 「ちょっと待ったぁ───っ、死神───っ!!!」




 隣で、彼がぎょっとする。





 この名無し野郎っ!!






 死神の足がピタッと止まった。


 そして、ゆっくりと後ろを向くと、じろりと私を見た。






◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆