彼は、息をつくと言った。

 「あ──あ──、死神の奴、行っちまったなぁ。それにしても、あんた災難だったなぁ。死神の魔の手にかかるなんて」




 「えっ?」

 私はきょとんとすると、彼を見た。




 彼はにっこり笑うと、

 「気晴らしにドライブにでも行かない?」

と言うと、バイクにまたがった。





 ちょっと、まって、


 どういうことっ!?





 「お~い、なにボケッと突っ立ってんだよ? 早く、後ろ乗って」





 魔の手って、どういうことっ!?