「…ミナ…ト」

と、カイがポツリと言った。





 えっ?


 ミナミさんっ!?





 カイはずかずかと歩いていくと、怪しげな女の人の背後に立った。

 「…おい」




 すると、怪しげな女の人は双眼鏡をのぞきながら、手でシッシッと払う。





 「ミ~ナ~ト───ッ!!」





 怪しげな女の人はギクッとすると、びくびくしながら振り返る。


 その顔を見て私は、口をあんぐり開ける。





 うそ…


 ほんとにミナミさんだったの!?





 カイは、ミナミさんの双眼鏡を取り上げると言った。

 「なにやってんの、おまえ…?」