私の目の前には、スーツ姿の、あれから5年後のカイがいた。




 大学を卒業して、今年の春に晴れて社会人に。





 カイとの感動の再会に、浸ってる場合ではなかった。


 私には、伝えなくちゃいけないことが…!





 カイもそのことを知っていて、私を例のレストランの前まで送り届けてくれた。




 「ありがとう、カイ…」

と、私がカイにお礼を言ったときだった。






 レストランの前に、怪しげな女の人がいて、外の窓から双眼鏡をのぞきながら、ブツブツ言っていた。